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学生が話し合い提言を作成する「2022龍谷大学学生気候会議」開催へ

龍谷エクステンションセンター(REC)では、地域連携事業の一環として学生支援制度「龍谷チャレンジ」を実施しています。学生の正課外での社会や地域と連携した活動や社会貢献活動を支援するもので、昨年に引き続き「龍谷大学学生気候会議」が採択されました。
「2022龍谷大学学生気候会議」は「OC-S(オックス)」という団体の学生9名が運営しています。連携団体は、気候ネットワーク、京都市総合企画局総合政策室、京都府地球温暖化防止活動推進センター。本学からは国際学部 斎藤文彦教授、政策学部 村田和代教授、政策学部 的場信敬教授が情報提供やアドバイスを行います。
今回は、代表・松田あゆみさん(法学部/4年)、副代表・池内エマローズさん(国際学部/4年)、広報・関元ちさとさん(経営学部/2年)、書紀・高橋宏太さん(法学部/4年)に、気候会議への想いをお聞きしました。

より発展的な議論を期待

気候会議は、近年ヨーロッパを中心に注目されている取り組みです。市民が気候変動問題を話し合い、持続可能な世界にむけた提言を作成することが目的です。
龍谷大学学生気候会議は、学部、学年をとわず学生間で討議し、2023年3月に、龍谷大学と京都市へ提言を提出する予定です。

「OC-S(オックス)」の9名は全員、昨年の第1回龍谷大学学生気候会議に参加したそうです。取材時は、学生気候会議に向けて準備を進めているところでした。

学生で気候会議を行う意義やテーマの設定、連携団体や外部専門家アドバイザー、本学教授との連絡、広報、当日進行などを全員で、または分担しておこなっていました。

CLIMATE CLOCK(クライメイトクロック) の画面サンプル

学生に向けた事前準備のひとつが「CLIMATE CLOCK(クライメイトクロック)」です。和顔館1Fに設置されたモニターには「地球温暖化+1.5℃までの残り年日」「緑の気候基金に集まった金額」「環境保護された地球面積」などが映し出され、数字は秒単位で変わっていきます。地球温暖化などの進行を抑えられるまでのさまざまな期限を示すカウントダウンタイマーです。

代表・松田あゆみさん(法学部/4年)

「学生のみなさんに、地球の気候変動や温暖化に関心をもってもらえるきっかけとなればと思い、設置を決めました。データはセイビ堂という企業から無償で提供していただいています。もちろん、学生気候会議に参加してほしいと誘導する目的もあります」と代表の松田さん。

「CLIMATE CLOCK」は、地球温暖化などの進行を抑えられるまでのさまざまな期限を示すカウントダウンタイマーです。

モニターには余計な情報は表示されず、数字が減ったり増えたりしているだけです。シンプルな画面に、どれだけ多くの学生が足を止めて見るのか、今は関心がなくてもこのCLIMATE CLOCKを見て地球環境の変化に気づく学生がどれだけいるのかを把握したいという「OC-S(オックス)」メンバーの意図もあるそうです。「昨年は開催することが意義でもありました。学びそのものに比重を置いていたのですが、今年はより踏み込んだ議論や対話が中心です。問題提起をしっかり行うことでより発展的な議論につなげたいですね。目標は、『龍谷大学カーボンニュートラル宣言』(2022年1月)の取り組みへの提言です。提言には消費、移動、住、食、キャンパスライフの5点とする予定ですが、討議の中で変更することもありえると思っています」(松田さん)

大好きな自然を守るために、私たちができることを

広報・関元ちさとさん(経営学部/2年)

「私が気候問題に関心をもったのは中学の社会科の授業です。水が少ない地域では顔を洗うのに、手のひらに乗るくらいの水しか使えないと聞き、実際に自分でやってみると、かなり難しい。それ以来、最低限の水しか使わない生活をずっと続けています。

私は自然が好き、アウトドアが大好き。環境問題を勉強してみると、このままでは悪化する一方ということがわかりました。私たちは気候の専門家ではないので、知識を増やそうと勉強しているところです。自分が好きなものを自分で守りたいけれど、何をしていいのかまだわかりません。学生気候会議では、ではどうしたらいいのかな、できることは何があるかな、とみんなで話し合いたいと思っています」(関元さん)

副代表・池内エマローズさん(国際学部/4年)

 

「香港で生まれ、16歳から大阪に移りました。香港も大阪も町の中は住宅とクルマだらけですが、京都は緑も水も豊かで、歩くだけで気持ちがいい。いつまでも自然を感じながら。私は今年の後期からオーストラリアのオンライン留学で観光学やエコツーリズムの授業を受けているのですが、日本で学ぶサステナブルはやや一元的だと感じます。私は、サステナブルの提唱に懐疑的。タンブラーを持ち歩いても、タンブラーはいつかゴミになります。プラスチック包装を紙に変更しても、大量生産・大量消費がなくなるわけではありません。エコやサステナブル活動を手放しに“良い”とするのではなく、人権問題や貧困問題の解決などをあわせて根本的に解決せねばならないと考えます」(池内さん)

「環境に興味がない学生こそ参加してほしい」

書紀・高橋宏太さん(法学部/4年)

「環境に対して危機感があり何か行動をしようとする人もいれば、自分には関係ないからと見て見ぬふりをする人もいます。温暖化対策について考えようとする人に、『意識高い系やな』と揶揄する学生もいるかもしれません。僕自身、昨年の第1回学生気候会議に参加するまでは、環境問題にまったく関心がありませんでした。

この会議への参加のきっかけは、これまで大学の授業で政治や経済の話題に接することはあっても、温暖化や気候変動といった個別の問題に触れる機会はなく、そもそも知識がないというのが出発点でした。また、景気の動向といった身近な社会問題など、世の中を知りたいという気持ちはもともと強くもっていて、環境問題は今後何十年のスパンで否応なく迫る課題であり、今後の時代を生きる若い世代が積極的に学び考えることが大切だと思ったからです。若い世代の一人として、私自身も自覚を持って先ずは「知る」という行動を起こしたいと思うようになりました。

環境問題や気候変動に関心がある人もない人も、自分ごととして一緒に考えていければいいなと思います」。(高橋さん)

メンバーが強く願っているのが「楽しくやりたい」ということだそうです。
「学生みんながポジティブな気持ちになれるような内容にしたいと考えています。環境問題に興味がないという人にこそ、参加してほしいですね」と、池内さん。

松田さんも「関心のない学生たちの意見を聞きたいですね。さまざまな価値観をすり合わせすることで、いい提言ができるのではと考えています」とお話しいただきました。

2022龍谷大学学生気候会議
会場:深草キャンパス21号館

<1日目>12月10日(土曜)
・気候変動の状況説明
・参加学生によるブレインストーミング
・協議テーマの論点提示
・学生による討議
<2日目>12月17日(土曜)
・学生による討議
・提言の方向性の検討、全体講評

ウェブサイトで詳細をご案内しています。
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-11560.html