1%しかない希少な国産メンマ
突然ですが、メンマって何からできているか知っていますか?
ラーメンの脇役として欠かせないメンマ。「割り箸を煮込んだものじゃないの」なんて冗談を聞いたこともありますが、実はマチクというタケノコの一種が原料なんです。
主な産地は台湾や南中国で、現地では発酵ののち乾燥させたものが保存食として親しまれています。それが明治頃に日本に輸入され、ほとんどがラーメンの具に使われるようになりました。現在でも流通するメンマの99%は輸入品ですが、希少な国産メンマとして注目されているのが淡路島産『あわじ島ちく』です。
放置竹林の有効活用に役立つ
『あわじ島ちく』は、淡路島産の孟宗竹を使用した無添加の国産メンマ。4月下旬から5月上旬にかけて収穫される1.5mほどに成長した幼竹(ようちく)を1時間ほど湯がき、シンプルに塩のみで1ヵ月保存した手作りのメンマです。香りが良くシャキシャキした歯応えが好評で、2020年9月に商品化されるとたちまち完売となりました。
商品開発を行なったのは、市民団体「あわじ里山プロジェクト」。2019年に結成されたグループで、放置竹林を有効利用し地域の活性化につなげるのが目的です。辻三奈さんを代表に、里山整備メンバーと「武田食品冷凍株式会社」、龍谷大学政策学部洲本プロジェクト学生らが協力し、構想3年を経て『あわじ島ちく』の商品化を成功させました。
『あわじ島ちく』を食べて竹林整備
淡路島では年々拡大する放置竹林が問題となっています。昔から竹は日本人の暮らしに欠かせない素材として、これまでは竹カゴなどの日用品や建築資材、食用のタケノコにと広く役立てられてきました。ところが生活の変化によって需要が減ってしまい、手入れをされないまま放置された竹林は雑木林を侵食する勢いで広がっていきました。荒れた竹林の拡大によって植物や生物の多様性が失われ、崖崩れを起こす原因になりかねません。また竹林にすむシカやイノシシによる農作物の食害も深刻です。
収穫時期が限定されるタケノコに比べて、ある程度成長した幼竹も活用できる『あわじ島ちく』はいわば「食べる竹林整備」。淡路島の新たな特産品として、地域の産業振興の面でも期待されています。
シャキシャキ感を生かした和洋中のレシピ集も
龍谷大学政策学部では政策実践・探究演習科目として地域の政策プロジェクトへの参画を行なっており、そのうちのひとつ「洲本プロジェクト」においては2018年より淡路島の放置竹林をテーマに活動してきました。竹ビジネス班では竹林伐採への協力などを通じて地元の方々と交流やヒアリングを重ねるうち、竹を有効活用できるメンマ製造のアイデアを知り、市民団体と力を合わせて商品化にこぎつけました。
2020年には残念ながらコロナ禍の影響で現地でのフィールドワークが制限される中でしたが、広報担当として『あわじ島ちくアレンジレシピ集2021版』を制作。「一人暮らしでも簡単に美味しく作れる料理」をコンセプトに、定番の酢の物やピリ辛メンマをはじめ、パスタやガパオライス、キーマカレーなど、16種のメニューを写真入りで紹介しています。シャキシャキした食感とクセのない味わいを生かして、和洋中さまざまな料理にアレンジしたレシピ集です。
さらに、2021年11月15日に13種の新しいメニューを紹介した『あわじ島ちくアレンジレシピ集』を発行しました。毎日の食卓で、あわじ島ちくを楽しんでもらえるよう広報活動に努めています。
現在、『あわじ島ちく』は販売サイトではすべてソールドアウト。再販の予定はお問い合わせください。
『あわじ島ちくアレンジレシピ集2021版』
http://awaji-satoyama.com/wp-content/uploads/2021/03/竹ビジネス班レシピ集最終版.pdf
『あわじ島ちくアレンジレシピ集(2021年11月15日発行)』
https://awaji-satoyama.com/2021newrecipe/
問い合わせ info@awaji-satoyama.com