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大津市消防団に龍谷大学生が入団
機能別団員として地域の防災に貢献する

消防団のシンボル、赤いベストを身に付けて並び立つ5人。その表情はやや照れくさそうだけど、どこか誇らしげです。
2021年7月、龍谷大学瀬田キャンパスで大津市消防団の機能別団員(学生団員)の入団式が行われ、大津市消防団長から辞令を手渡されました。

大規模災害時の被災者の支援をおもに

機能別団員として大津市消防団に入団したのは、龍谷大学社会学部4年生の香美薫さん、社会学部4年生の友広裕人さん、農学部3年生の中川高宏さん、農学部3年生の本多塁さん、社会学部3年生の山中彩椰さん。
5人の使命は、大規模災害の発生時における避難所での誘導や被災者の心のケアなど。消防団員だけでは手の回らないきめ細やかな支援が期待されています。また平常時にも救命講習や消防訓練などの研修、広報啓発活動などに参加する予定です。

大津市で初めての学生団員として活動

機能別団員制度とは消防団員の減少を補うために国が制定したもので、特定の活動のみ参加するOB団員や火災予防・広報団員、バイク隊やドローン隊などが含まれ、全国で約2万6000人が任命されています。大津市消防団では機能別団員(大学生)制度を2021年度より発足。大規模災害団員として募集したところ、龍谷大学学生5名が手を挙げました。学生団員は大津市では同大学生が初めてです。
もともと同大学と大津市は2005年に「大津市と龍谷大学との協力に関する協定書」を交わしており、社会学部では大津市消防局の指導のもと、防災に関する実践的な教育が行われてきました。それらの経緯があり、今回の入団に繋がったのです。

仏教SDGsの理念に沿って

「仏教SDGs」という独自の視座でさまざまな取り組みを展開している龍谷大学。これは国連加盟国193カ国が合意した「誰一人取り残さない」持続可能な世界の実現に向けての目標SDGsと、摂取不捨という仏教の教えに共通点を見い出したことがもとになっています。
入団式に出席した松木平淳太同大学副学長も「消防団機能別団員として地域に貢献することは、まさしく『仏教SDGs』の理念に合致した取り組みであると考えている」とコメントしました。

松木平副学長

社会福祉の学びを活かしたいと参加

今回消防団に任命されたひとり、社会学部現代福祉学科4年生の香美薫さんは入団への思いについて、

「私は社会福祉士をめざしていて、高齢者施設での現場実習中に行われた防災訓練に参加したのですが、高齢者の方を迅速かつ安全に避難させるのは想像以上に大変で、福祉における防災力の重要性を痛感しました。地域防災には住民、特に私たちのような若い世代の力が必要と感じました」

さらに大規模災害時の避難所でのケアについても、特に子どもや高齢者、女性へのプライバシーや衛生・安全面の配慮不足を感じると指摘。同じ女性としてはもちろん、社会福祉の授業で高齢者や子どもへの接し方を学んだことを活かしたいとのこと。
農学部3年生の本多塁さんは、高校生の時に地元の滋賀県高島市が台風被害に遭い、消防士の方に助けてもらった経験への感謝の気持ちと、今度は自分が困っている人を助けたいと志願の理由を語りました。

学内に防災意識を高めるサークルを立ち上げ

 

香美さんを含む学生3名で消防防災サークルを立ち上げ、現在は、主に大津市消防団が実施している訓練やイベントに参加しています。今後は、学内でのサークル活動の幅も広げていく予定です。
大学は災害発生時の避難所になる、その時に自身や周りの人の命を守れるよう活動に力を入れたいとし、教職員や学生の防災訓練の実施や広報活動を予定しています。