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地域課題の解決に取り組む仲間を増やすために。「ソーシャル企業認証認証制度 S認証 金融機関連携協定式」

2024年4月12日、龍谷大学にて「ソーシャル企業認証制度 S認証 金融機関連携協定式」が開催されました。

「ソーシャル企業認証制度」は、社会課題の解決を目指す企業に対し、経営方針や事業内容、社会的インパクトなどを基にして評価・認証をおこなう制度です。2021年4月、龍谷大学は京都信用金庫、京都北都信用金庫、湖東信用金庫と連携して「ソーシャル企業認証制度」(以下、S認証)を創設。2023年1月に、但馬信用金庫(兵庫県豊岡市)、2024年4月に玉島信用金庫(岡山県倉敷市)、枚方信用金庫(大阪府枚方市)が加盟しました。

協定式 には、一般社団法人ソーシャル企業認証機構の代表理事、S認証に加盟する各信用金庫の理事、認証をおこなう第三者委員会を運営する龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターのセンター長 が参加しました。
※敬称略

持続可能な地域社会の実現を目指す「S認証」の輪を広げたい

一般社団法人ソーシャル企業認証機構 代表理事/龍谷大学 副学長・深尾 昌峰

「S認証は、認証企業の取り組みや想いを可視化して発信することで、社会課題に取り組む企業を応援し、認証企業のイベントなどを通じて新たなコミュニティを創出しています。これらの取り組みにより、地域社会のソーシャルマインドを醸成し、持続可能な地域社会の実現を目指します。
S認証は2021年に始まった制度で、3年間で1072社(2024年3月末 時点)を認証いたしました。
企業は、利益を追求するだけではなく、地域の理想を実現する担い手でもあります。S認証は、地域の課題解決に取り組む企業を認め、ともに讃えあい、前に進むための制度です。
今回、新しい信用金庫をお迎えしたことは私たちにとって大きな喜びです。S認証の広がりにより、さまざまな社会課題の解決が進むことを期待しています」。

「S認証」に加盟する6つの信用金庫・理事長よりメッセージ

但馬信用金庫 理事長・森垣 裕孝

「但馬信用金庫は、過疎化や高齢化が進む、中小企業が多い兵庫県但馬エリアを中心に営業しています。S認証は企業の取り組みや社会的インパクトをしっかりと評価される制度なので、認定された場合、事業者も従業員も自社の取り組みに一層自信を持つことができます。私たちは地域の中小企業にソーシャルマインドを浸透させること、S認証を取得した(又は、これから取得を目指す)中小企業を応援することに力を注いでいます。
当地域にS認証の輪を広げられるように頑張りたいと思います」

玉島信用金庫 理事長・宅和 博彦

「玉島信用金庫は岡山県倉敷市を本拠地とし、その周辺を主要な営業エリアとしています。市場原理に重きを置いた資本主義が行き詰まりつつある現代において、時代を転換するにはソーシャルな考え方を持つことが必要です。私ども信用金庫は信頼、共同、絆、コミュニティといった「利他の精神」を根源的に持っており、ソーシャルな観点から社会の課題解決を目指すS認証と親和性が高いと感じています。イタリア語で“ベーネ・コムーネ”、ソーシャル・グッドなムーブメントをさらに広げることで新しいかたちの資本主義を描いていけるでしょう。
このたびの連携により、新しいかたちの社会をみなさまと共に作り出したいと考えています」

枚方信用金庫 理事長・吉野 敬昌

「枚方信用金庫のおもな営業エリアは大阪府の北河内7市です。枚方信用金庫では、3つのビジネスモデルを大切にしています。1つめに<あえて非効率>、 2つめに<つなぐ・つながる・つなげる>、3つめは<三方よし>。

当金庫では大阪府門真市内の2店舗で店舗スペースの一部を子どもたちの居場所にする『宿題カフェ』を開催しています。『宿題カフェ』は、今年3月、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局により『地方創生に資する金融機関等の特徴的な取組事例』として表彰されました。

また、待機児童を解消するために京阪・枚方市駅前の研修所を無償で保育園にお貸し出しする取り組み、退職された方の技術や経験を地域に活かす『アクティブシニアの生きがい就労促進』といった取り組みもおこなっています。

このような地域を元気にする取り組みは、S認証が目指すところと同じだと考えています。龍谷大学や信用金庫のみなさまと連携をとり、ともにS認証の輪を広げていきたいと思います」

京都北都信用金庫 理事長・藤原 健司

「京都北都信用金庫は、京都北部・中部を営業基盤としております。それぞれの地域にさまざまな課題がある、先行きが不透明な時代、S認証をきっかけに同じ志をもつ者同士がつながっています。加盟信用金庫が増えたことで、良きアイデアが生まれ、新たな商品やサービス、ビジネスモデルが出てくることを期待しています。また、地域や業態の垣根を越えたコミュニティも多く創出されることでしょう。
これからも加盟信用金庫さまたちと連携を深め、コミュニティを形作り、持続可能な町づくりを実現していきたいと思います」

湖東信用金庫 理事長・矢島 之貴

「湖東信用金庫は東近江市を中心としたエリアで営業しております。近江商人発祥の地である五個荘、日野町、近江八幡市がエリア内にあり、近江商人の『三方よし』、つまり『売り手よし』『買い手よし』『世間よし』の精神が今も引き継がれています。S認証は、地元企業の取り組み、社長の夢、地域に対する想いを可視化する制度で、『世間よし』に該当します。持続可能な企業や社会を目指すべく、当金庫はこの3年間、S認証に取り組んでまいりました。
今後も信用金庫の間で情報交換や交流を進めながら、『世間よし』の精神を広げていきたいと思います」

一般社団法人ソーシャル企業認証機構 代表理事/京都信用金庫 理事長・榊田 隆之

「近江商人の『三方よし』のお話がありましたが、これからは『会社よし』『社員よし』『世間よし』を念頭に置いた経営が求められる時代となります。サステナブルな経営を目指すことが、社員からも消費者からも『良い企業だ』と認められる要素になるのです。
S認証は、企業と消費者、企業と社会、人と人を“ソーシャル・グッド”の共感でつなぐ制度です。信用金庫は、地元企業がS認証を申請する際のサポート役となっています。また、社会課題の解決のために預金や資金が運用される『ソーシャル・グッド預金』『ソーシャル・グッド融資』を取り扱う信用金庫も増えつつあります。S認証が始まり3年が経ち、加盟信用金庫の数が6金庫に増えました。
今後は“ソーシャル・グッド”の輪が関西、そして全国へと広がることで、それぞれの地域がさらに活性化することを願っています」

「S認証」発足より3年。公平・公正な審査で1000超の企業を認証

ソーシャル企業認証第三者委員会 委員長/龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター センター長・白石 克孝

「ソーシャル企業認証第三者委員会は、大学に在籍する各分野の専門家や産業界の有識者、現役大学生で構成される委員会で、企業の社会性や社会的インパクトについて公平・公正に審査をおこなっています。
S認証の発足から3年が経過し、1000を超える企業が持続可能な地域づくりなどさまざまな取り組みをおこなっていることがわかりました。信用金庫の職員のみなさまにとっても、地域と企業の関わり方について考える良き機会になっていると確信をもっています。
『自社は、地域課題の解決に取り組んでいる』『社会的に評価される価値がある』と考える中小企業のみなさまには、S認証に加盟する地域の信用金庫に相談し、ぜひS認証を取得・活用していただきたいと思います」